
教職P
修了生インタビュー

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教師教育の現場に身を置いて
塩津 英樹(島根大学 2010年度修了生 )
私が、教職P(旧Ed.D型プログラム)を受講したのは平成19年9月から平成22年3月までの約3年間です。当時、大学院生の生活の中心は研究活動でしたので、大学教員(教職課程担当教員)として入職後、優れた授業ができるように、博士課程在籍時から教育力を高めるというプログラムは、とても新しいものでした。
教職P(旧Ed.D型プログラム)を振り返って
教職Pの特徴は、学年や研究室の壁を越えて、プログラムにかかわる構成員全員で学びを深めていくところにあります。「先生の先生」を目指すという共通の目的のもと、様々な活動を協働で行うことができるのが教職Pの大きな魅力であると言えるでしょう。また、プログラム1年目から海外調査を行い、国外(ドイツ、アメリカ、中国など)の大学教員や大学院生と交流したことは、私にとって貴重な体験となりました。他国の高等教育制度(教職課程教員養成制度やTA制度)について学ぶとともに、研究と教育の両立や目指すべき研究者像についても様々な考えを知ることができました。さらに、教職Pの中心的な柱である、学内外の大学生を対象に教壇実習を行うという経験(教職授業プラクティカム)は、教育力を高めることの必要性を肌で実感できる良い機会であったと考えます。
日本の大学進学率は50%を超えてユニバーサル段階に到達しています。大学教員は、日々、多様な学生を対象に授業を行っており、質の高い授業を設計・運営できる教育力が、これまで以上に求められています。今から振り返ると、教職Pを通じて、仲間と切磋琢磨して学んだ時間はとても有意義なものであったと感じます。これまで漠然と抱いていた大学教員の役割や仕事に対するイメージが明確になり、教職課程担当教員としての自覚が高まりました。教職Pを通じて、大学教員としての資質・能力の基礎が養われたと確信しています。

勤務校での仕事を通じて感じること

現在私は、勤務校において、教職課程認定や開放制教職課程の管理運営に関わる仕事をしています。全学の教職志望学生に対して様々な支援を行い、実践的な指導力を備えた教員の育成に取り組んでいます。教員の大量退職・大量採用を背景に、かつてのように講師経験を積まなくても、新卒で採用される学生の割合が高まっています。また学校現場は、即戦力となる教員を求めており、優れた教員を育成することが、大学に期待されています。かつて教職Pを通じて、自らの授業観を磨き、どのような教員を育成したいかについて議論を重ねました。当時の教職Pでの学びや経験が、現在の仕事にしっかりと活かされていると感じます。
近年、大学教員は、大学生に対する教育活動だけでなく、現職教員に対しても研修等の講師を通じて、社会貢献活動を行う機会が増えています。平成29年度以降、全国で教員育成指標が策定され、キャリアステージに応じて求められる教員の資質・能力が明確化されました。教員の資質・能力の計画的な向上を図り、「学び続ける教員」を支援していくために、大学教員の果たす役割は極めて重要であると考えます。
博士課程在籍時に教職Pを受講したことは、私にとって、大学教員としての職能成長の契機であったと考えます。教職Pという学びの機会を与えていただいたことに改めて感謝申し上げるとともに、修了生(第1期生)の1人として、皆様の益々のご活躍と、教職Pのさらなるご発展を心より祈念いたします。